住宅ローンの制度や金利

フラット35の金利や借入限度額などメリット・デメリットを徹底解説

住宅ローンは各社さまざまな特徴がありますが、その中でも住宅金融支援機構の提供するフラット35は、他の住宅ローンと違う特徴を持っています。

今回は、フラット35の金利や借入限度額、そのメリット・デメリットなどお伝えします。

 

 

フラット35の金利の決まり方

フラット35は住宅金融支援機構による住宅ローンで、住宅金融支援機構が決めた金利幅の中で、銀行など窓口となる金融機関が貸し出し金利を決めます(多くは最低金利)。

フラット35は35年間の長期間固定金利ですから、その金利の決定には長期金利の指標となる10年国債利回りが利用されます。

 

10年国債利回りって?

10年国債利回りは日本の10年もの国債の利回りのことで、ニュースや日経新聞で日経平均株価と共に毎日発表されているので、見たことがある方もいらっしゃるでしょう。

日本国債は日本国民や銀行などによって買い支えられていると言われ、他の金融資産と比べて安全資産として人気があることもあり日本の10年国債利回りは非常に低い水準となっています。

こうした背景もあり、ここ数年の低い10年国債利回りに連動し、フラット35も低い金利で推移しています。

ところで、国債に人気が集まるとなぜ10年国債利回りは低くなるのでしょうか。

 

国債価格と利回りの関係

国債に人気が集まると10年国債利回りが低くなる理由は単純に数字の計算の問題です。

まず、国債価格は国債に人気が集まれば集まる程高くなります。

これは簡単に想像できるでしょう。

また、利回りは投資した額に対して年間でいくら回収できるのかの割合を示します。

例えば、100万円投資して年間で5万円の収入が見込めるのであれば利回りは5%となります。

ここで、国債に人気が集まり同じ国債を買うのに110万円支払わなければならなくなった場合と、逆に国債に買い手がつかず90万円で購入できるようになった場合を考えてみましょう。

110万円支払わなければならなくなった場合で収入が5万円だと国債利回りはおよそ4.5%となります。

一方、90万円で国債を変えた場合で収入が5万円であれば国債利回りは5.6%となります。

このように、国債価格が高くなると国債利回りが下がるため、国債に人気が集まると、国債利回りが下がることが説明できます。

 

株価が上がると国債価格が下がる

一方、国債に対する人気以外に国債価格に与える影響について考えてみましょう。

現在、アベノミクスの成果により日本の株価は上昇しています。

株価が上昇しているということは、国内外の資産が日本の株に集まっているということが言えます。

株式も国債と同様、変われることで株価が上昇します。

株価が上がっているということは国内外の資金が株式に集まっていると言うことができ、一方で国債の購入に向かう可能性のあった資金が株式に向かっていると見ることもできます。

こうしたことから、経済の原理原則としては株価が上がると国債価格は下がってしまいます。

 

株価が上がると国債利回りが上がる

さて、ここで先の2つの原理原則、「国債価格が上がると国債利回りが下がる」「株価が上がると国債価格が下がる」を組み合わせると、

(「国債価格が上がると国債利回りが下がる」を「国債価格が下がると国債利回りが上がる」と読み替えて)

「株価が上がると国債利回りが上がる」ことになります。

これは、現在の株価は上がり、国債利回りは低いままと言う日本の情勢とは異なる原理原則ですが、現在日本の国債は日本銀行などによって買い支えられているという情報もありますし、グローバル化された金融情勢のもとではそもそも上記の原理原則が当てはまらない可能性もあります。

ただ、今後株価が大きく伸びれば国債利回りは上がる=フラット35の金利も上がることは予想できます。

 

フラット35の金利判断は月の中頃にする

フラット35は毎月金利が発表され、融資を実行した月の金利が35年間固定で適用されることになります。

融資の実行は1~2ヶ月程度であれば自分で調整することも可能でしょう。

その際は、その月の中頃までに10年国債利回りの推移に着目して判断するようにします。

その月の1日には前月までの10年国債利回りの動きが反映されているので、15日頃までに、その後の10年国債利回りが著しく下がっているようであれば次の月の融資に回すかどうかの判断をするのです。

金利に0.1%もの差が生じれば35年間で40万円程得する計算になります。

 

フラット35であれば年収の10倍以上借入できる?

フラット35は返済負担率や審査金利の関係で、年収の10倍以上借入できる可能性があります。

 

借入限度額について

借入限度額とは、年収いくらならいくらまで借りられるのか、という基準のことで、基本的にはこの借入限度額を満たさなければ審査を受け付けてもらえません。

審査基準は金融機関によって異なりますが、だいたい年収の5~7倍程度におさまることが多いようです。

 

フラット35の返済負担率は年収400万円以上で35%

借入限度額を決めるにあたって、金融機関は返済負担率というものを設定しています。

例えば年収400万円で返済負担率35%であれば400万円×35%で年間140万円までなら住宅ローンの返済に回しても大丈夫という基準を設けているのです。

この返済負担率は年収毎に設定されていることが多く、例えばフラット35は年収400万円以上で返済負担率35%、400万円未満で返済負担率30%となります。

 

フラット35の審査金利は実質金利

金融機関ごとに住宅ローンの金利とは別に住宅ローンの審査用の審査金利が設けられています。

例えば審査金利が3%であれば、3000万円借り入れた時に月々いくらの返済額となり年間の返済額は返済負担率に収まるかどうかという計算をします。

フラット35の場合、審査金利が住宅ローン金利と同じ低い金利となっています。

 

年収400万円以上あるかどうかが一つの目安

民間住宅ローンの返済負担率もフラット35と同じように年収毎に分けられているのが一般的です。

そして、だいたいにおいて民間の住宅ローンの方がフラット35よりも厳しい条件となります。

返済負担率の関係で、民間の住宅ローンにおいてもフラット35においても年収400万円以上か以下かで借入限度額に大きな違いがある事が多いです。

例えば、フラット35の場合、仮に審査金利を1.1%とすると

  • 年収380万円で3310万円
  • 年収390万円で3397万円
  • 年収400万円で4065万円
  • 年収410万円で4167万円

となります。

民間の住宅ローンでは審査金利も、返済負担率も厳しく設定されているため年収400万円以下で3,000万円以上の借入限度額を得ることは難しいでしょう。

 

フラット35はパートやアルバイトでも収入合算可能

フラット35はパートやアルバイトでも年収に含めることができます。

また、勤続年数に関しても長い方が望ましいのですが、3カ月~4カ月程度でも1月辺りの収入から年収を割り出して加算することが可能です。

民間の住宅ローンでは条件として正社員や契約社員、さらに勤続年数3年以上や1年以上といった制限が設けられているのに対して、フラット35は制限がゆるく収入合算を利用しやすくなっています。

 

フラット35は太陽光の売電収入を加算できる

さらに、フラット35は太陽光の売電収入を年収に加算することもできます。

例えば年収が380万円で借入限度額が3,310万円の場合でも、10kwの太陽光を設置することで収入を20万円加算し、年収400万円の借入限度額4,167万円にするといった荒業も可能です。

 

フラット35のメリット・デメリット

フラット35は全期間固定の住宅ローンですが、他の住宅ローンと比較した場合メリットもあればデメリットもあります。

 

フラット35のメリット

フラット35は借入時のメリットが借入期間の全期間に渡って継続するため金利が低い時に組めば大きなメリットを得られるといったメリットがあります。

ここでは、フラット35のメリットの内主なものを2つご紹介します。

 

史上最低の金利水準で35年間借りられる

フラット35の金利はここ数年、非常に低い金利水準を推移しており、また2016年頭にはマイナス金利が導入されることでさらに金利は低くなっています。

もちろん、変動金利や期間固定金利など他の金利タイプも金利も低くなっているのですが、今後数年〜数十年の間に金利が上昇してしまうとそれに伴い返済額が上昇してしまう可能性があります。

フラット35であれば住宅ローンを実行した時の金利が最後まで継続するため、史上最低の金利と呼ばれる現在の金利でフラット35を利用することは大きなメリットとなるでしょう。

 

年収が少なくても借入可能額を大きくしやすい

すでにお伝えしたように、フラット35は他の金融機関と比べて借入可能額を大きくしやすい特徴が揃っています。

年収が足りなくて希望の借入額を借りれられないような場合にはフラット35を検討してみると良いでしょう。

 

フラット35のデメリット

一方、フラット35は変動金利は固定金利選択型など他の金利タイプと比べて金利が高いといったことや、自己資金を用意しなければならないといったデメリットがあります。

 

金利が高い

フラット35は借入時の金利が全期間続くというメリットがある一方、変動金利や固定金利選択型など他の金利タイプと比べると金利が高く設定されていることが多いです。

これは、変動金利や固定金利選択型などにある金利の変動リスクがない分金利が高いと言えます。

とはいえ、現段階で金利が高くとも、将来金利が上昇した場合変動金利や固定金利選択型ではフラット35より金利が高くなる可能性が充分にあります。

この辺りの判断をどうするのかで、フラット35にするか変動金利や固定金利選択型にするかを選ぶと良いでしょう。

 

自己資金を用意する必要がある

現在のフラット35の制度は、土地、建物代金の9割までの融資が基本となっています。

住宅購入時には土地と建物の代金以外にも銀行への手数料や火災保険、登記費用など諸費用がかかりますが、こうした諸費用で100~200万円程度かかるのに加えて、建物代金の1割を自己資金で用意する必要があります。

民間の住宅ローンでは土地、建物の10割だけでなく、諸経費まで借りられることも多く、自己資金がない場合にはそちらを利用するしかありません。

ただ、フラット35を利用する場合でも金利は高いですが自己資金の1割分や諸経費分まで個別に融資を受けられる場合もあるので、利用を検討してみても良いでしょう。