注文住宅の建築法規

長期優良住宅の認定基準やメリットとデメリットについて解説

ここ数年、新築住宅で長期優良住宅という言葉を聞くことが多くなりました。

なんとなく耐久性の髙い住宅で安心できそう、ということは分かりますが、実際にどんな住宅なのか詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

今回は長期優良住宅についてお伝えします。

 

 

長期優良住宅とは

長期優良住宅は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に定められた基準を満たした住宅のことで、新築時に長期的に良い状態を保つように設計され、かつ建物完成後の維持管理や保全のし易さも計画するよう基準が設けられています。

住宅は何十年も住むものですから、是非取り入れたい内容なのですが、詳しく内容を見てみるとメリットもあればデメリットもあります。

 

長期優良住宅の認定を受けるための基準

長期優良住宅の認定を受けるための基準には、耐震性、耐久性能(劣化対策)、維持管理・更新の容易性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画といった項目があります。

一つ一つ見ていきましょう。

耐震性

耐震性は、極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷を抑えることとされています。

長期優良住宅では、建築基準法で定める地震の1.25倍まで耐えられる耐震等級2以上とするなどの対策を講じる必要があります。

 

耐久性能(劣化対策)

劣化対策は、数世代にわたり住宅の構造躯体を使用する対策のことです。長期優良住宅では、劣化対策等級3や、床下空間に330mm以上の高さを確保し、構造躯体が100年程度の期間使用できることとされています。

 

維持管理・更新の容易性

この項目は、内装・設備について、維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること、とされています。

具体的には、維持管理対策等級(専用配管)、維持管理対策等級(共用配管)及び更新対策等級(共用排水管)のいずれも等級3とする必要があります。

 

維持保全管理

維持保全管理は、将来を見据えて、給排水設備について定期的な点検・補修などに関する計画が策定されていることとされています。

少なくとも10年に1回は点検を行い維持補選の期間は30年以上にする必要があります。

 

省エネルギー性

省エネルギー性では断熱性と気密性が基準を満たしているかどうかを確認します。

次世代省エネルギー基準(省エネルギー対策等級4)を満たしている必要があります。

 

居住環境

良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであることとされています。

 

住戸面積

良好な居住水準を確保するために必要な規模を有することとされており、一戸建て住宅であれば1階部分が最低40㎡以上の、合計75㎡以上を満たしている必要があります。

 

長期優良住宅の2つのメリット

長期優良住宅には大きく2つのメリットがあります。

長期間良好な品質を保てる

長期優良住宅の1つめのメリットは、住宅の性能が上昇するということです。

長期優良住宅は設計時に100年程度住宅を使用できるよう構造躯体を設計する必要があり、内装や住宅設備を維持管理のしやすいものにしなければなりません。

こうした品質が担保されていることから、将来売却する時には長期優良住宅であることが売却のしやすさにもつながります。

 

長期優良住宅は税金の控除が受けられる

2つめのメリットは、長期優良住宅にすることで税金の控除を受けられるということです。

住宅新築では、住宅ローン控除や登録免許税、不動産取得税、固定資産税といった税金が課されますが、この内特に住宅ローン控除と固定資産税での税金控除が大きなメリットとなります。

住宅ローンを借りると、10年間にわたって住宅ローン借入額の1%の税額控除を受けられる住宅ローン税額控除という制度がありますが、平成26~29年の間、通常4,000万円分までしか控除が受けられないのに対して、長期優良住宅であれば5,000万円まで控除を受けることが可能となります。

5,000万円借入することと、それだけの年収があることが前提となりますが満額利用すれば1,000万円×1%×10年間で100万円税金の還付を受けることが可能です。

住宅ローン控除 一般住宅 長期優良住宅
限度額 4,000万円 5,000万円

 

投資型減税の特別控除

長期優良住宅の認定を受ける住宅を建築した場合、一定の要件を満たすことで標準的な性能強化費用相当額(床面積×43,800円で、上限は650万円の10%相当額)を、所得税額から控除することができます。平成26年4月1日から平成31年6月30日までに入居した方が対象となっています。

投資型減税は、住宅ローン減税と同じく所得税からの還付を受けられる制度ですが、ローンを組まなくても利用できます。ただし、住宅ローン減税との重複適用はできません。

 

登録免許税の軽減

住宅を新築した際には、登記をする必要がありますが、平成28年3月31日までに取得した場合には軽減税率の適用を受けられる特例があります。

長期優良住宅の場合は、一般の住宅と比べて優遇幅が大きくなっています。

通常 一般住宅特例 長期優良住宅特例
所有権保存登記 0.4% 0.2% 0.1%
所有権移転登記 2.0% 0.3% 0.2%

 

不動産取得税の軽減

不動産を取得すると、不動産取得税が課されますが、平成28年3月31日までであれば、一定の要件を満たすことで控除を受けられる特例があります。

一般の住宅が控除額1,200万円のところ、長期優良住宅であれば1,300万円の控除を受けることができます。

 

固定資産税の軽減

住宅を新築した場合、建物の固定資産税を支払う必要がありますが、平成28年3月31日までに新築された住宅の場合、3年間建物の固定資産税を1/2とすることのできる特例があります。

長期優良住宅の場合、この期間が5年間まで延長されます。

建物の固定資産税は築年数が新しい程高いので、最初の5年間2分の1になるのは大きなメリットです。

固定資産税 一般住宅 長期優良住宅
控除額 3年間1/2 5年間1/2

長期優良住宅の申請にはコストがかかる

長期優良住宅にはデメリットもあります。それは、申請にコストがかかることです。

実は、ある程度大手のハウスメーカーになれば標準で長期優良住宅の基準を満たしていることも多く、長期優良住宅にすることによる建築コストの上昇はあまりありません。

一方で、長期優良住宅の基準を満たしていても認定を受けていない住宅が結構あります。

なぜなら、長期優良住宅の申請には費用がかかってしまうことと、手続きに時間がかかってしまうからです。長期優良住宅の申請はハウスメーカー経由で行うことで数万円~数十万円かかってしまいます。また、手続きに2週間~1カ月程かかります。

住宅ローンを利用している場合、つなぎ利息の関係で着工期間が長くなるほど費用がかさんでしまうこともあります。

こうしたコストと税制上のメリットを比較して、認定を受けるかどうかを決めると良いでしょう。

 

まとめ

長期優良住宅は何十年も住宅に住むにあたり安心するためにも活用した制度ですが、利用にあたりデメリットもあります。

メリットとデメリットを比較して、メリットが勝るようであれば利用を検討してみると良いでしょう。